遺伝子2
その日は、そのまま朝の会が終わると全校生徒が帰された。
先生が付き添いながらの集団下校となり、心配した母親達は校門まで迎えに来ていた。
どうやら、学校側から連絡が行ったらしい。
例外なく俺の母親も来ていて、心配そうな顔で俺の近くに駆けよってきた。
「帰ろうか」
俺の気持ちを見抜いてか、クシャと頭を撫でると肩を抱き寄せながらクルッと方向を変えた。
俺はひとつ頷くと、俯きながら母の横にピッタリとくっついたのだった。
無言のまま家に着くと、異常な喉の渇きを感じ、冷蔵庫へと一直線に向かった。
「先に手を洗いなさい」
後ろからそう叫ぶ母をよそに、乱暴に冷蔵庫の扉を開けると中に入っていたペットボトルの水を取り出した。
とりあえず、なんでも良かったのだ。
焼けつくような喉の渇きを潤したく、一気に喉に流し込む。
冷たさが気持ち良くて、気がついたら一気に2リットルのペットボトルが空になっていた。
「一輝……あなた」
そう言う母の横をすり抜けると、自分の部屋に戻って行った。