遺伝子2
―――ピトッ
「へっ?」
雨音の顔は俺の顔から30センチ位の所で止まり、俺の眉間に右手の人差し指と中指を付けると、目を瞑り何だかブツブツ唱え始めた。
何だよ、これは……
何か変な緊張をしてしまった俺は、何だか恥ずかしくなり真っ赤になっていた。
次に瞳を開けた雨音は、鋭い瞳で頭の上の方を見ている。
「大丈夫そうね」
そう言って、雨音と目が合った。
ち……近い。
雨音も真っ赤になってる俺に気付いたのか、パッと離れていく。
「あっ!!ごめんね。あ……あの、これは……やだ私、いつも通りにやっちゃって……」
完全にパニック状態なんですが。
「ちょっと、雨音ちゃん?!」
どうやら、俺の話なんぞは聞こえて居ないらしい。
「じ……じいじ呼んでくるね」
そう言って、走って出て行ってしまった。