遺伝子2
雨音の正体
―――ん…
重い瞼を開くと、心配そうな顔をした女の子が俺の顔を覗き込んでいた。
「良かった」
固かった表情がみるみる緩んでいった。
そっか、俺はあのまま倒れ込んで……
重い体をゆっくり起こすと、辺りを見回した。
「まだ、寝てた方が……」
「ここは……」
慌てる雨音の言葉を遮り聞いてみた。
純日本家屋の一室と言うところか。
最近は、テレビでしか見た事がない掛軸が壁にかかっていて、その下にはお花が生けてあった。
「成蔭寺……と言うか、私の家かな。それより、大丈夫なの?」
「あっ、うん。本当に申し訳ない……」
初めて会って、初めて家に来てぶっ倒れて布団に寝てるなんて、情けないよな。
なんか、不思議な状況でしかもこんな感じで、どうしたら良いのか分からず雨音を見ていた。
すると、雨音の顔がどんどん俺に近づいてきて……
えっ?!