笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
ふと見ると、みどりは
声を上げて泣いていた

ごめんねと何度も
言いながら

みどりの姿を見て
ハッと我に返った

わたしたちが
言い争っても
何の解決にもならない

みどりを余計に
混乱させて
しまうかもしれない

『みどり、今でも
しまっちの事好き?』

みどりはただ頷いた

凌が困った顔をして
みどりを見ていた

『みどり、そいつを
忘れる努力をしなきゃ
ダメだ。みどりが
ダメになっちまう』

みどりは声を殺して
泣き出した

肩を大きく震わせていた

『わたしたちが
ついてるからね』

わたしの言葉は
みどりに届いて
いただろうか?

今が辛い時

後は、這い上がるだけ

これ以上落ちる事はない

みどりが、しまっちを
早く忘れられる事を
願っていた

わたしが雅紀さんとの
関係を無くした時
支えてくれたのは
みどりと凌だった

今度はわたしが
みどりを支えてあげる

恋に臆病に
なったとしても
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