笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
先生は車を走らせ
わたしたちの知らない
場所に来た

広い駐車場

そこには、見覚えのある1台の車

しまっちの車があった

みどりが呆気に
取られている

もちろんわたしも

『先生…』

『俺が大地を
呼んだんだ』

車から降りた
わたしたちの
タイミングと一緒に
しまっちも車から
降りてきた

あの出来事以来
初めてしまっちを見た

みどりも同じ
だったと思う

その場の雰囲気で
みどりとしまっちに
何かあったのは
一目瞭然だった

みどりは、今にも
泣き出しそうな
顔をしていた

しまっちがこっちに
向かって歩いてくる

みどりの心臓の鼓動と
わたしの心臓の鼓動が
高鳴った

わたしたちの前に立ったしまっちは、いつもの
笑顔が消えていた

とても真剣な表情で
わたしたちを見ていた

『牧野と2人に
させてくれないか』

しまっちの強い眼差しにわたしはただ頷いた

先生に手を引かれ
わたしは先生の
車に乗った
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