初恋-はつこい-

心無い視線

翌日。


玲子の言葉が頭から離れず、

真由は夜中に何度も目が覚め

ちゃんと寝れなかった。


重い身体をなんとか動かし、

制服に袖を通し鞄を肩に掛け、

外に出ようと玄関へ行き

ドアに手を掛けた。


「あ、あれ……」


ドアのレターボックスに

何か入っているのに気付き、

そっとそれを手に取った。


一通の真っ白な封筒。


宛名も差出人も書かれていない。


真由は恐る恐るその封筒を開けた。


「…………!」


一瞬にして昨日の言いようのない

大きな恐怖感に包まれた。


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