初恋-はつこい-
圭輔の一つ一つの

小さな優しさに触れ、

真由は言い様のない

幸福感で満たされていた。


「杏奈たちの言う通り、

 思い切って誘って良かった」


真由は頬をピンク色に

染めながらぽつりと呟く。


そして行きかう人の波を

ぼうっと見つめていた。


香坂君、

早く戻ってこないかな……


そう思いながら

賑やかな人の流れを

なんとなく目で追う。


「菅野!」


遠くから呼び掛けられ、

真由は笑顔でその声の方を見た。


しかし、その笑顔は

一瞬にして崩れてしまった。



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