Sweet Life
樹は先に体を洗ってた。
シャワーで洗い流して
「ん」
「えっ?」
腕を掴まれシャワーを掛けられ
「い、いいよ、自分ですっから」
「遠慮しなくていいから座れ」
有無を言わさずイスに座らされスポンジが背中に当てられた。
「た、たつき~」
やっぱり恥ずかしいよ。
「恥ずかしがる必要ないだろ今更」
「でも」
「それとも俺の裸を見ると興奮するとか、風呂場でいちゃつきたいとか考えてんのか」
「ば、馬鹿!そんなこと考えてないよ」
樹じゃあるまいし。
「ならいいじゃねえか。ん」
スポンジを私に渡して
「前は自分で洗え。俺が洗うとまた変態って言われるからな」
「……」
樹は私の横で頭と顔を洗い出した。
私も体を洗って頭を
「洗ってやるから目を閉じて」
「え、えっ?」
頭の上から勢いよくシャワーが
慌てて目を閉じて
もう何て手荒いの。
――
―
でもシャンプーしてくれる手はとても優しくて。
「ん、コブも大丈夫だな」
「う、うん」
シャワーでゆすいでくれた。
「お前の髪が長くなくて助かった」
「ハハハ…そうだね」
私の髪は肩につくかつかないかのストレートボブ
夏休みの結婚式に備えて伸ばしている最中
今までロングにしたことがないのでこれでも私的には長いんだけど。