Sweet Life
「相手は高原菜摘」
「……」
「違いますか?」
「……」
「ハハハ…常にクールな火浦先生ともあろう人が」
「島先生、何で?」
誰もいない体育教官室で
「見たんですよ」
「えっ?」
何を見られたんだ?
「春休みに温泉旅行に行っただろう?あの旅館に俺等もいたの」
「えっ?」
「俺と嫁さん。俺達もたまの休みだったんで温泉にでもって」
…同じ旅館にかよ。
「彼処は離れ使用になってるんで他の客とかは気にならないからな。初めはまさか火浦先生とは気がつかなかったんだが…風呂上がりかなんかでロビーに座ってるのを見かけて声を掛けようとしたら女性が近づいて、火浦先生お忍びかと思ったら…顔を見たら何と高原だろ。そりゃびっくりした」
「……」
「まさか火浦先生が生徒をたぶらかしてんのかと」
「島先生」
「フッ 怒るな。まさか結婚してるなんて知らないさ」
「島先生、結婚」
「ん、理事長に聞いた」
「理事長にですか?」
「そんな顔すんな。言いつけたとかじゃないし」
そうだわな、島先生がそんな女みたいな真似はしないで俺にダイレクトに聞くわな。