Sweet Life



松の木に凭れて


樹がそっとキスを…


「樹…駄目だよ」


でも本当はもっとしてほしい。


「ん。今だけ…ちょっとだけ…菜摘を感じさせて」


啄むようなキスを繰り返す。


「…ン…」


――





「続きは明日の晩にな」


「へっ?」


明日の晩…


あ~明日の夕方には帰るんだ。


「うん」


「フッ 珍しく素直」


「私はいつも素直です」


「あっかんべー」


「クッククク…その顔を杉下に見せてやれ。完全に恋心も醒める」


「は、はぁ?」


また蒸し返すんですか?


「じ、じゃあ樹も竹田先生にしてみたら?醒めるよ」


「ん?」


「フフフ…おあいこだよ」


「フッ だな」


髪をくしゃくしゃと撫でられ


「さ、もう戻れ。もうすぐ6時だ」


「うん。…樹は?」


「一緒に戻るのはマズイから先に行け。時間をあけて戻る」


「うん。じゃあ先に行くね」


「あぁ」


「樹」


「ん?」


…チュッ!


頬にキスをして走って旅館へ―





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