Sweet Life



家を出て湖の方へ


樹…いるかな?


この湖


樹に告白されたんだよな。


去年の花火大会で。


そして…ファーストキスも。


思い出の場所


大切な場所


一生忘れない場所


――





あ、樹…見っけ!


「樹」


後ろからこっそりと近づき…抱き着いた。


「菜摘、バレてる」


えっ?何が?


私を抱き寄せて


「ん?忍び足で近づいて来たのが」


「あら、分かってたの?」


何で?


「お前の匂いがしてた」


私の匂い?


「甘い匂い」


「やだ~それ私の匂いじゃなくてタルトタタンの匂いじゃない」


鼻をクンクンさせて指の匂いを嗅ぐ。


するかなぁ~タルトタタンの匂い。


「クッ!ハハハ…」


そんな私を見て笑い出した。


「樹~何がおかしいのよ」


失礼しちゃうわ。


「本当に甘ったるい匂いがする訳じゃないから。菜摘の…菜摘が持ってる匂い だ。俺だけが分かる匂い」


「た、樹…」


何だか今の樹…凄い甘い台詞を口にしているような。


「菜摘」


再び抱き寄せて…口づけを。


口づけは深まり…樹の舌が私の唇を割り…私の舌を探して…絡め取った。


甘い…キス


頭が真っ白になって立ってるのがやっと。


樹の腕をきつく掴んだ。


ーー





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