Sweet Life



唇が離れ…


「樹…」


「…此処だったな」


「……」


「此処で菜摘に」


「うん。私も思い出してた」


樹も思い出してたんだ。


「あれから一年だな」


「そうだね」


二人、湖の畔を歩きながら


――





何も話さず…


でも、たぶん二人の思いは一つ。


あの二人が出逢った夏の日のこと。


アルバイト先で偶々出逢った優しいお兄さん


勉強を見てくれて、色んな話しをしてくれて


まだ初恋も知らない高校二年の女の子が恋に落ちるのは自然の摂理


樹に『好きだ』って言ってもらったその一言が今まで生きてきた中で一番嬉しい プレゼント。


でも、その優しいお兄さんが私の学校の副担任で、しかも苦手な数学教師だなん て。


そして樹と付き合い初めて…あれよあれよと言う間に結婚までしちゃって…まる でジェットコースターに乗ってるみたい。


それに樹の真の姿は優しいお兄さんなんかじゃなく、どSでスケベで変態で…普 通なら絶対にお近づきになりたくないタイプ。






< 528 / 538 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop