Sweet Life
「菜摘?」
「大好きだから」
「……」
「樹は?」
「ん?」
「樹は私を…好き?」
樹の顔を覗き込みながら
あら?
樹の頬がほんのり赤らんでいる。
照れてるのかな?
フフッ 可愛いとこあるじゃない。
「ね、樹…答えてよ」
「そんなの聞かなくても分かってんだろ。それともそんなことも分からないくらい馬鹿か、お前は!」
うっぅぅぅ…
馬鹿って言われたよ。
でも今日の菜摘は負けないんだから!
「樹、いくら答えは分かっていても…心で繋がっていても…言葉にしてほしいこ ともあるの。だって二人は別々の人間なんだよ。それに樹は男で私は女。違って 当たり前。樹は頭はいいけど女の子のことはもう一つ分かってないとこあるし」
「……」
いつもと違って熱弁をふるう私を呆気に取られたように見ている。
「女の子は、女は…愛されていると分かってても心の底では何処か不安なんだ よ。毎日言ってほしい訳じゃない。ほんのたまにでいいの。『愛してる』とか 『好き』だって言葉がほしいの。だってその言葉は魔法の言葉なんだよ。それだ けで幸せになれるし安心もするの」
「言葉にしなくても態度で…体で言ってきたつもりだったんだけどな」
「樹…」
そっと抱き寄せて耳元で
「生徒に教わる日がくるなんてな。それも劣等生のお前に」
「……」
劣等生って失礼な。
赤点なんて採ったこともないし居残り補習だって…
あ、数学があった。
あれが唯一の汚点だわ。
でもあれは樹の陰謀だったんだもん。