114歳の美女
 ときは智也からの電話で、『café昔昔』で会う事にした。
 

 いつもの席で、ときが窓から石庭を眺めていると、智也が現れた。
 
 「すみません。野暮用で遅くなって」
 「・・・」

 「あれ、考えてくれましたか」
 「・・・」


 ときは返事をしない。しかも、能面のような表情。
 智也はときの機嫌が良くない事を悟った。

 「いい返事を期待して来たのですが」
 「その前に、ひとつ聞きたい事が・・・」

 やっと、ときが口を開いた。
 
 「なんでしょうか」



 「うちの臍の緒を何でおいりやしたんか」



 「あっ、臍の緒ですか。秘密と言ったのに、やっぱり聞かれましたか」



 (お家はんが言った事は本当だったのか。秘密やて。よくも抜け抜けと・・・。このおたんこなすが)



 ときは智也を憎しみの目で見詰めた。




 
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