114歳の美女
 「臍の緒で何をするおつもりどすか」

 ときが冷たく言い放った。


 「遺伝子検査をして本人確認です」
 「家の者が本人や言うてもあかんのどすか」


 「家の者の証言では・・・。ときさんを証明するものが欲しかったのです」


 「証明するものが、何でいるのどすか」


 「じつは、ときさんを京都の顔として、推薦しようと思っているのです。そうなれば、ポスターはもちろん、雑誌、テレビなどに登場して頂く事になると思います」


 「うちはそんな事望んでおへん。うちに秘密に、こそこそ動いたりして。ええ加減にしなはれ」


 ときは心底怒っていた。

 (うちに内緒でこそこそと。気分が悪いのがわからんのか。このお調子者が)

 怒りは怒りを呼ぶ。
 ときの怒りが沸騰し始めた。




 「何が、結婚じゃ。あほぬかせ。おんどれ~。わしを舐めとんのか。舐めたらあかんぜよ)




 この時、ときは心のなかで、映画のやくざ者になっていた。

 どすがあれば、目の前の腹黒男をメッタ裂きにして、大立ち回りしたい心境に、ときは図らずも成っていた。






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