114歳の美女
 智也は四条大橋の中央辺りにいた。


 橋の上から、智也が下を覗いた。鴨川が京の女性のように、一見優しそうに流れている。


 智也はポケットから、携帯電話を取り出した。
 電話番号を操作する。


 「はい、村島です」

 声から判断して、寛道の嫁のしのぶだろう。吉のが出なくて、智也は内心ほっとした。

 大息を一つ付く。


「星田と申します。ときさんいらっしゃいますか」
「星田さん・・・ちょっとお待ち下さい」


 しのぶは星田が電話相手と知り、一瞬戸惑ったが、ときに伝える事にした。


 「お待たせしました。ときどす」


 暫くして、電話の向こうからときの愛しい声がした。






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