114歳の美女
 智也は小学生の頃、近くの川でよく小さな橋の上から飛び下りた事があった。

 悪たれ小僧の間では、うまい方で、飛び下りた瞬間の快感がたまらなく好きだった。


 (長い事、飛んでいないが、恐らく大丈夫だろう。少し、水深が浅いのは気に掛かるが。怪我位するかもわからない。それ位のリスクは負わないといけないか。でも、命を取りとめる自信はある)


 欄干の上から下を覗きながら、智也が心の中で呟いた。

 「そろそろ、やるか」

 智也が左右を見渡した。



 ビユーン。



 智也が足から飛び下りた。悪たれ小僧だった少年のように。




 ザブーン。



 (痛たた!)


 落ちた瞬間、激痛が走った。



 ウーウーウー。



 橋の上でサイレンの音が止まり、人が大勢押し寄せて来た。


 智也はあっという間に担架に乗せられ、救急車で病院まで運ばれた。





 
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