114歳の美女
 入り口で、見舞いの男性と、ときが擦れ違った。


 男性は女性の顔と、尿瓶をじろじろと眺め回している。

 男性客は、課長の古田だった。

 「大丈夫か」

 「あっ、課長。わざわざすみません。この度は、ご迷惑をお掛けしまして」


 「そんな事より、いま擦れ違った女性、凄い美人やな。誰の付き添いや」


 女好きの古田らしく、早速ときに興味を持ったようだ。


 「ぼ、僕のですけど」
 「えっ、お前のか。羨ましい奴だな。婚約者か」

 「いえ、まだそんなんじゃありません。彼女が例の女性ですよ」

 「例の女性?」
 「ときですよ」


 「えっ、あれがときか。凄い美人だな。でも、なぜここに」


 古田は入り口の方を見ながら驚いている。





 
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