114歳の美女
 「幾ら家を出ても、村島家の血筋で無くなった訳ではおへん」

 吉のが血筋という言葉に力を入れた。

 「村島家の血筋か」

 「ときが実力行使で結婚を奪い取る気なら、こちらも実力行使でこれを阻止するまでどす」

 吉のが実力行使に力を込めて言った。

 (お義母さんは、何をしようと思っているのか)

 しのぶが口を挟んだ。


 「お義母さんの言われる実力行使とは、いったい何ですか」

 「それを、言う前に見せたい物が」


 吉のが一枚の古ぼけた写真を箪笥の引き出しから取り出した。それは、ときの母親、末のセピア色の写真だった。


 「これはとき姉さんの母親の写真ですか」


 寛道が写真を見ながら言った。


 「そうどす。あての姑が末はんから、村島家の秘儀を聞いた時、無理言って頂いた物どす。写真の裏を見てみなはれ」


 「裏ですか」


 寛道が写真を裏返した。
 そこには、書でかすれた文字が書かれていた。





 
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