114歳の美女
 「いいえ、別に」
 「それなら、あれ、手に入りそうか」


 古田が急に話題を変えた。


 「あれ?」
 「臍の緒や」


 「いや、今、いろいろありまして、それ所では」
 「そうか。まあ、少し気に留めといて」


 古田は自分の席に戻って行った。


 智也は古田が席に戻ってほっとした。
 人間関係が複雑になっている。今の自分の家族を、智也はあれこれ探られたくなかった。


 仕事が手に付かない。


 夜の3人で寝る風景が脳裏に深く残り、智也は一日中、何かいらいらしていた。



 (あの婆め)



 智也の内に、怒りがマグマになって、どろどろどろどろ押し寄せて来た。







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