114歳の美女
 「ときさんどうしたの。荷物を運んだりして」

 しのぶが心配顔で。


 「うちは帰って来ただけ。あんた等が意地悪しはるから。新婚生活も滅茶苦茶」

 「堪忍してな」

 しのぶがときに謝った。


 「しのぶはんはだけは信頼していたのに。この裏切り者が」
 「許してな。姑の言い付けには逆らえんからな。あっ、そう言うたら、姑は」


 「あそこで遊んではるのと違いますか」
 「まだ、あそこですか」


 しのぶは慌てて1階に降りて行った。


 ときは、また大の字になって、これから先の身の振り方を思案していた。



 しのぶは急いでときの家に行った。


 吉のはときの急変に唖然としていた。しのぶから、家に荷物を運び終えた事を聞くと、「別れるつもりか」と、吉のは複雑な顔をしていた。


 ときが家に帰った事から、川の字の取り決めは終止符を打った。


 「地獄から解放されて良かったですね」


 しのぶが感慨深い表情をした。


 「何か。寂しいな」


 吉のがしょんぼりと言った。
 二人は、川の字の思い出をしみじみと語り合いながら家路に着いた。





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