114歳の美女
 (引越しを手伝ったのは、マスターだったのか。常々、ときと親しい関係だから、要注意人物とは思っていたけど。ときにこれ以上、近付くな。近付いたら殺すぞ)


 智也はズボンのポケットに入れた、果物ナイフを鷲掴みにした。


 マスターが立ち上がった。
 智也は果物ナイフを出さなくて、ほっとした。

 その時、電話が。

 ときが手提げ袋から、携帯電話を取り出した。

 (えっ、ときが携帯電話を持っている。いつからだ。俺の知らない間に勝手な事を。誰から電話だ。もしかして、古田?くそっ)

 智也が悔しさで身震いをした。



 「・・・」
 ときは無言で電話を切った。


 (間違い電話だったのか)

 智也が深呼吸。また深呼吸。のち深呼吸。

 「よっしゃ」


 智也がときに近付こうとして一歩踏み出すと、その前を3人の若者が。


 「とき姐さん、みっけ」


 その内の一人、超イケメンの若者が、はしゃぎながら言った。






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