114歳の美女
 智也はときと話がしたくなって、『café昔昔』に行った。


 ときはいつもの席に座り、マスターと話をしていた。


 智也は手前の席に座り、二人の様子を窺っていた。幸い、二人は智也に気が付いていない。

 ときがマスターに封筒を二つ差し出した。


 「先日は引越しをありがとう。これは、ほんのお礼どす」
と、ときの声。


 「気を使わなくていいのに」
今度はマスターの声。


 「もう一つの封筒は友達に上げて。うちが感謝していたと」
 「いいのに」


 「遠慮せんとって」
 「じゃ、頂くよ。それから、これはダチ公に渡しとく」


 二人の声が聞き取りにくい部分もあるが、智也には大体わかった。






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