114歳の美女


 「この子が出来たら、生きる支えになるかも・・・」


 「うちもこの世に生を受けて、人以上に長く生きる事で、悲しい事も経験したけど・・・。楽しい事も経験しました。うちを生んだお母ちゃんを、決して恨んだ事などおへんし。むしろ、感謝している位どす。それなら、この子も・・・」


 ときは先ほどまでと、180度違う考え方をしていた。


 「生むか」


 「困難を怖がっているばかりでは、道は開けん。困難の向こうには、涙ばかりやおへん。笑い。喜び。幸福。きっと、後悔しない道があるはずどす」


 「生むのや」
 「それが、定めなら」


 ときの心はいつしか生むしかない、と思えるようになっていた。

 
 心が決まると、ときは家から少し離れた産婦人科病院に行った。






 
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