114歳の美女
 「どうしよう・・・」
 「4年経ってから妊娠するんやから、この子はどれだけ生きるかわからへん」


 ときが妙に真剣な顔をしてぽつりと呟いた。


 「うちより長生きするかも」
 「お母ちゃんがこんな事が無いように、遺言を残したのに」


 「お家はんの心を鬼にした忠告を、守っとけば良かった・・・」
 「うちは、あほや、大馬鹿や」


 「お母ちゃん、どうしたらええの」
 「子どもをおろさんとあかんの」
 「教えて・・・」


 ときは便所の中で泣きじゃくった。
 暫く泣くと、少し気が静まって来たので、ときは便所を出て自分の部屋に戻った。


 「大切な人はみんな死んで行く。うちはそのうちひとりぼっちに」


 ときが一人で無意識の内に呟いた。






< 297 / 321 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop