114歳の美女
 「4年もしてから子が出来るなんて奇跡。うち自体が不思議な存在だから、不思議があっても可笑しくないか」


 ときが呟いた。


 「これも定めや」


 ときがお腹の上に手を置いた。


 「うちがお母ちゃんやで。よろしく。これからも二人で頑張ろな」
 ときがお腹の子に声を掛けた。ときはこの時、優しい、優しい母親の顔になっていた。


 ときが家に帰り、台所で水を飲んでいると、しのぶがそばに来た。


 「何かあった?」


 しのぶがときの顔を、じろじろ見ながら声を掛けた。しのぶの勘は鋭い。


 「うんん、何にも」
 「そう、それならいいんだけど」


 しのぶが、何も無かったような顔をして向こうに行った。


 「しのぶはんだけには、話した方が。いや、まだ目立った症状はおへんし、やめとこ。もう少し様子を見てから・・・」


 ときはしのぶに話すのを、もう少し後にずらす事にした。





 
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