114歳の美女
 その夜。


 しのぶは寛道が仕事から帰って来ると、自分等の部屋でときの話題を持ち出した。


 「最近、ときさん、何か変わったと思わない」
 「とき姉さんが。同じだと思うけど」


 寛道が不思議そうな顔で。


 「もっと、良く見てよ」
 「どう変わったんだ」


 寛道が語気を少し強めて。


 「言い難いんだけど。明るくなったと言うか、嬉しそうと言うか」
 「それなら、結構な事じゃないか」


 「そうなんだけど。先日、食卓テーブルで、ときさんが雑誌を読んでいるの。私、どんな雑誌を見ているかと思って、横からこっそり見たんだけど。どんな雑誌を見ていたと思う?」


 「どんな雑誌だ」
 「それが、赤ちゃん関係の雑誌なのよ」


 しのぶが、心に引っ掛かっている事を寛道に吐露した。





 
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