114歳の美女
 「村島吉のさんはご在宅ですか」
 「どちら様ですか」
 

 寛道の妻 しのぶが電話の応対に出た。
 

 「市役所の星田と申します」
 
 「母ですか。ちょっとお待ち下さいね」
 「・・・」
 
 「村島吉のどすが。何の用件どすか」
 
 「市役所の星田と申します。今日は村島吉のさんにお願いがありまして、お電話しました」
 
 「お願い?あてに」
 
 吉のは、電話の向こうから怪訝そうな声を上げた。
 
 「実は、ときさんの事なんですが。本人確認をしたいと思いまして」
 
 「本人確認。あの子は間違いなく村島とき本人どすわ。あてが保証します」
 
 「お気持ちはわかりますが、114歳と言うお年を考えますと」
 
 「114歳でも、間違いはおへん」
 
 「それなら、114歳のお方が、なぜ20代に見えるのか、説明できますか」
 
 「そらあ・・・」
 「だから、お願いに上がった訳です」
 
 「・・・」
 

 「それで、ときさんの臍の緒が、もしありましたらと思いまして」
 


 「臍の緒!」



 驚いたのか、吉のは声のトーンを上げた。





 
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