114歳の美女
 週末。
 

 その日は、公休日だった。
 智也は大型スーパーに寄り買い物を済ませてから、『café昔昔』へ向った。
 

 ときの事は気になっていた。が、溜まっていた仕事に追われ、智也は週末までここに来る事が出来なかった。


 「来てるかな」

 入口は大きな石段の上にある。
 智也がガラス戸を押して中に入った。


 「いた!俺の勘が当たった」


 ときは前と同じ席に座っていた。
 智也が椅子に手を掛けながら声を掛けた。


 「ここに座っていいですか」
 「あっ、先日の」


 ときがピクッと驚いた。


 薄い黄色に花柄の付け下げ。
 オレンジ色の帯。
 黄緑色の半襟。


 いつもながらときは、着物が良く似合っている。





 
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