114歳の美女
 「僕の生き血です。足らない時は、これを召し上がれ」


 智也が紙包みをときに差し出した。
 

 「これぶどう酒どすやろ」
 

 紙包みの中には、ぶどう酒の赤が入っていた。


 「二人で生き血を吸いませんか」
 「あんたは、いけずな人どすな」


 そう言うと、ときは笑みを浮かべた。


 「僕がいけず?村島さんも相当なものですよ」
 「そうどすか」
 

 二人は顔を見合わせて笑った。
 他愛も無い冗談が、二人の距離をぐんと縮めた。





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