114歳の美女
 吉のは松の並々ならぬ決意を思い知った。


 「お義母はんも、姑から同じ事を言われはったんどすか」
 
 「姑?あての姑は、ときの実の母親どすわ」

 「ときはんの母親はどんな人どすか」

 「優しい人どしたわ」
 「優しい人がなんであんなにきつい事を」


 「ときが苦しむの見たくなかったからと違うか。親心や。きつい事を心を鬼にして言いはったんどす。だから、あてもお義母はんの心を喜んで受け継いだんどす」


 そう言って、松は目を瞑った。

 「ほんま、昨日のようや。お義母はんが涙ながらにあてに言いはったんは・・・」

 松の目から一筋涙が零れ落ちた。



 「ときの子孫を死んでも残したらあかん。うちの一生のお願いや。こんな事を頼めるのは、あんたしかおらん、言うてな、あての手をぎゅうと握りはったんや。その感触は、今もこの手に・・・ううっううっ」



 松の目から涙が滴り落ちた。





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