114歳の美女
 「嫁の知恵の発揮しどころやな。どんな手を用いても構へん。ようは、ときに子を生まさんようにしたらええのや」


 「猫や犬と違いますぇ。この問題は、他人は入り込めまへん」


 「そこを、入り込むのや」
 「あてに出来ますやろか」


 「遣ってもらわんと、嫁失格どす」


 (これが村島家の嫁の務めか。仕方がない。やるしかないか)


 吉のは、次の代への引継ぎを考えて、松に質問をした。


 「長男の嫁に子が出来ん時は、どうしたらええのどすか」
 「長女に頼むしか仕方おへんな」

 「嫁に子が出来ん場合は?」


 「離縁どすな。そんな役立たずの嫁は。それが、村島家の嫁のしきたりどす」


 「そんなむごい事を」
 「むごうかてやり遂げんとならんのや」


 松が夜叉のような顔をして、強い口調で言った。





 
< 75 / 321 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop