114歳の美女
 観衆はその様子に唖然とした。
 みんなは二人を見た。


 (おい、年寄りをいじめるな)


 冷たい視線が、二人を無言に責めている。

 「やばい」


 智也はときの手を繋ぎ、大急ぎでその場から離れた。

 四条通りを越えて、花見小路通りを三条の方へ。
 小走りで夢中に走っていると、2人は白川に架かる小さな橋にまで来た。


 「ここまで来たら大丈夫」

 息をはずませながら智也が言った。

 「お婆ちゃん、あれからどうしたかな」

 ときは心配そうな顔をしている。
 
 「もう笑っているんじゃないかな」
 「それだとええのんどすけど」


 ときは意地悪をした事を後悔していた。






 
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