114歳の美女
 「何年生まれどすか」

 ときがお婆ちゃん舞妓に尋ねた。


 「わて?わては大正1×年。88歳やで」


 「お宅は?」


 お婆ちゃん舞妓がときの顔を覗き込んだ。


 「うちどすか。明治××年どす」


 「またまた・・・。ほんまの生まれ歳は昭和何年かと聞いてまんねん」


 お婆ちゃん舞妓が、関西弁でムキになって喋った。

 「明治××年や言うてますやろ。そこに、市役所の戸籍担当の方がおられますよって、嘘や思たら聞いておくれやす」


 お婆ちゃん舞妓が智也の方を見た。

 智也が内ポケットから身分証明書を見せ、話に入った。


 「間違いありません。その方は明治××年生まれです。私が証明します」


 「嘘や。そんな事があるはずがない。よってたかってわてを馬鹿にして。そんな不公平な事が現実やったら、わては、わては死んでも死にきれん。ああ、悔しい~」


 お婆ちゃん舞妓は、悔しさの余り全かつらを脱ぎ、放り投げた。そして、地面に座り込み、駄々っ子のように両足をバタつかせた。





 
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