グラデーションの夜
「――」
名前を呼ばれた瞬間、返事をする代わりに彼の鎖骨に歯をたてた私は、沸き立つ己の欲望にどこまでも忠実だ。
「…高校のときから、やってること同じだな。俺たち」
「なによ、マンネリとか言いたいの」
そういう意味じゃなくて、と困ったように呟く彼を、"冗談だよ"と笑いながら押し倒した。
くっきりと歯型のついた鎖骨をそっとなぞる。
身体の奥からじりじりと熱を帯びていく。
ボタンを外して、本能をさらけ出すよ。
昔も今も、耐え性なく"ソレ"をぶつける私と、そんな私から逃げられない君。
あの頃から何ひとつ変わらないのだ。