君がいた奇跡
「抗がん剤治療を行っても、
水抜きをしても、しこりは増大
するばかり。
これは乳房切除をするしか、完全寛解は
望めないと思います」

私はがっくりと肩を落とした。

髪もなく、胸もない。

じゃあ、私に残るものは何も
ないじゃないか。

「少し、時間をください……」

「わかりました」

私はしょんぼりと病室へ戻った。

どうしよう……

私は悩んだ。

もちろん、治したい。

しかし、髪も胸もないのは、女性
としてショックだった。
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