終わらない物語∞始まり
メッセージ
「こら!山吹陽祐!」
僕の名前を呼ぶ声と…頭に走る鈍い衝撃。
「いったぁ…」
「授業中に寝るな!」
僕はどうやら居眠りをしていたらしい。
それで先生にげんこつされたようだ。
「罰として放課後、職員室に来い。」
「…はい」
面倒だ…
でも寝ていた僕が悪いな。
「どんまいだな山吹〜」
「うるさいなぁ…」
にやにやしながら前の席に座る垣原信也が話しかけてきた。
「なになに?夜更かしでもしたの?」
「別に…」
そういえばいつの間に寝てたんだろう…
何か、夢を見ていたような…
「とりまどんまい☆」
「うぜぇ」
垣原をスルーしつつ、授業を受けるためノートを見る。
「…?」
よく見ると書いた覚えのない字が書いてあった。
―これは…?
自分の字とは違う気がする…
女子が書いたような丸い字だ。
《も う す ぐ あ え る よ》
「…!?」
書き覚えのない字は、メッセージのように思えた。
…誰から?いつの間に?
「はいじゃあ、授業はここまでだ」
終わりのチャイムが鳴って、ハッとなり、急いでノートを閉じた。
「「「ありがとーございましたー」」」
―…考えるのはよそう。きっと僕が寝ぼけて書いたんだろ。
ノートをカバンの奥に押し込んで、僕は考えるのを止めた。