点零
右辺で小さな負けをし

左辺でも負ける


囲碁は逆転があると言っても


負けるのは負ける



行き詰まって
変な手を打って


願望を込めた
悔し紛れの手を打っても



対局には影響しない


結局ただの悪手を積み重ね

結局大敗を
どこで認めるか





彼の高校の同級生は
きっときちんとした就職をし

そうじゃなくても
夢を叶えたり

いろんな人生を送っているだろうなかで



進学校から
県外の大学に出た彼は


いつのまにか
道を大きく逸れていた


正直、彼は夜の店で
階段をかけ上るほどに
店長になって仕事をするほどに


その数学とかじゃなくても
なにか違和感を自分の人生に感じる時間が
多くなっていった




潜在的な苦しみが

大きくなり
余計にうっつまり苦しくなった




彼は仕事中
本当に悩み
悩むだけの日々についに陥った



地元のことが
何度も何度も思い出され


九州の大地が
必要になっていった




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