運命を変えるため。

 問い返すより早く、明日香は言葉を続ける。

「知ってるよ、無理矢理ってことは。だってゆうちゃん、手が拒否してる」

 そう言って見せられた、彼女の携帯の画面。
 そこには一組の男女がキスをしている画像。その男女こそ、俺と赤石で間違いない。

 そして、明日香が言うように、確かに俺の手は赤石を押しやるように、明らかな拒絶を示している。

「でも……」

 画像をまじまじと見つめていた俺の耳に、再び声が届く。
< 130 / 139 >

この作品をシェア

pagetop