放課後の視聴覚室は密の味


奈菜の瞳は潤み、その瞳に映る僕が揺れる。


放心状態の奈菜。


「奈菜、そうゆう時は“はい”と返事をするものだよ?」


それに奈菜は小さく頷いたが

「でも、私……」

と、奈菜の大きな瞳は僕に戸惑いを訴え、その表情は不安を隠せない。


僕はそんな奈菜を抱きしめる。


「返事は“はい”だけな?」

僕の胸の中で頷いた奈菜。


「結婚しよう」


奈菜はもう一度、頷く。


「返事は?」


僕は奈菜の頭に頬をつけて、奈菜の言葉を待つ。


「は、はい?」


僕が奈菜の頭から頬を離すと、
奈菜は腕の中から、はにかむように上目遣いに僕を見た。


「なんで疑問系なんだよ」


思わず笑った僕に「だって~」と
照れくさそうに笑う奈菜。


「じゃあ、もう一度……

奈菜、僕の奥さんになってくれますか?」



「はい」



「よくできました」



僕は奈菜の頭をクシャクシャと撫でて、

今度は力強く抱き締めると、
奈菜の額にキスをして


そして、唇を重ねた。
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