夏色ファントム
「でも……そう言えばさ、何でそんなに凛ちゃんの事詳しいの?」
「アイツは……じーちゃんの幼馴染みだ」
「あー……なるほど」
だとしたら、あの子が何でじーちゃんの家を知っていたのか説明がつく。
それに、じーちゃんが必死な理由も。
「だったら、自分でやった方がいいと思うよ」
助けたいと思うなら、人に頼まず自分でやるべきだ。
しかしじーちゃんは俺の意に反し、残念そうに首を横に振った。
「じーちゃんじゃあ、あそこまで行く体力が無いんだ。それに……」
「それに?」
「もう、じーちゃんは凛を見ることができないんだ」
そう言って、じーちゃんは悲しそうに微笑んだ。
俺は言葉を言葉を失った。