夏色ファントム
*
夜更け、俺はどうするべきかを布団で考えた。
なるべくなら、じーちゃんにやってもらいたい。
でも、あの祠まで行くのには相当な労力がいる。
じーちゃんにはキツそうだ。
だったら俺がやるしかない。
それに、あの子を解放する方法なんて……
無理だろ!
何も思い付かないし!
頭の中で、あの子に関する話を思い出してみる。
幼馴染みが病気で殺される……
それを側で見ていたじーちゃんは、どんな気持ちだったのだろうか?
俺だったら耐えられないな。
そう言えば、あの子って注連縄で縛られて祠に閉じ込められたんだっけ。
「注連縄……か」
そんな事を呟きながら、俺は眠りに就いた。