憎しみの構図
校内で虐めがなくなって
久しい。
虐めがない代わりに
競争は激化していた。

学校運営及び親御さんの側から言えば
この上なく あるべき姿であった。

学校内で虐めがなくなったからといって
世界から 戦争がなくなったわけではない。

虐めはなくなったが、
いざこざはある。
不良もいれば
一人が好きなネクラもいる。

虐めがなくなるということは
イコールトモダチもいないと
いうことなのだろうか。

それは違う。
ただ、以前 虐めの手法として
大半を占めていた
シカトなる暗黙の攻撃は
息を潜める形になった。

むしろ 教室の中にいる
誰もがそんなには
他人の事に
関心がなくなってきた、
その傾向は 次第に
明らかになっていったのだ。
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