武勇伝 〜拳と拳のぶつかり合い〜
それにしても鮮やかな投げだった。
男は小柄で肉質も厚くなかったが、圧倒的なスピードでひったくりに受け身をとらせないまま投げ飛ばしたのだから。

柔道選手かな…?
同じ男性から見てもその様はかっこよかった。

騒ぎがおさまり、野次馬達も消えてあたりが落ち着いた。小太郎は待ち合わせ場所の広場まで戻った。

そこには仁美が立っていた!! ふと腕時計を見るとジャスト18時!! あの騒動からもう30分もたっていたのか…!!

まあなんにせよ18時ちょうどなのだ。仁美も文句は言うまい。

小太郎「よう、お疲れさん。今来たところ?」

仁美「ええ、今着いたところよ」

髪をかきあげながら小太郎の顔を見ないで言った。このタカビーなところが仁美らしいのだが時々ムッとくるところでもあり…。

仁美「さっき南口のほうが騒がしかったけど、ひったくりが現れたんだってね?」

小太郎「あ、ああ。騒ぎを聞いて僕も駆けつけたんだけど、ひとりの男性がひったくりを撃退したんだ。かっこよかったなあ」

小太郎は要点しか言わなかった。
< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop