恋人のルール(ベリーズカフェバージョン)
「ホテルがいいか?それとも俺の部屋?嫌ならこのまま帰るけど?」


別に彩乃と寝なくても、どうでもいいような言い方。


彩乃の心の中は複雑に揺れていた。


「……やっぱり……ダメ。涼ちゃんは従兄で上司だし……」


涼ちゃんに誘われて、断る女性なんていないんだろうな。


女子社員同様、彩乃も涼が職場にいるおかげで、仕事が楽しい。


彩乃が涼に惹かれているのは間違いない。


それが上司としてなのか、異性としてなのか……。


「従兄で上司か……」


フッと漏れた涼の言葉に、彩乃の心臓が跳ねた。


彩乃を見ている涼の瞳が温かく見えた。


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