恋人のルール(ベリーズカフェバージョン)
いた……。


陽斗は入って来た彩乃には気づかず、真剣な顔つきでスマートフォンを弄っていた。


「陽斗!ごめんね、待たせちゃった!」


彩乃は陽斗に近づき謝った。

 
突然の彩乃の声に陽斗はビクッと肩を震わせてから、スマートフォンをスーツのポケットにサッと隠すように入れた。

 
見られたくなくて、慌ててしまったように彩乃には見えた。


変な陽斗……と思いながら、対面の席に座る。


陽斗はビールを飲んでいた。


まだ半分以上あるが、泡は無くなり、美味しくなさそう。


「ぬるくなっちゃったね 新しいビール頼む?」


彩乃は気を利かせて聞くが、陽斗は緊張した表情で首を横に振った。


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