恋人のルール(ベリーズカフェバージョン)
「いや、いい……」

「……陽斗、なんか緊張しているみたい どうしたの?話って……なあに?」


陽斗は浅い呼吸をしてから、口を開いた時、注文したヴァイオレット・フィズが運ばれてきた。

 
すみれ色のキレイな液体で、飲むとレモンの香りが広がる爽やかなカクテルだ。


イケメンのバイト君がいなくなると、彩乃は陽斗が話せるように黙って見つめた。


見つめた視線がスッと外され、なぜか陽斗の瞳は壁の方に向けられた。

 
陽斗?


「……彩乃、別れよう」

「別れ……る……?」

 
大きな声ではなかったけれど、彩乃の耳に店内に流れるジャズの曲と共に、陽斗の声がはっきり聞こえた。


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