葛藤
甘い吐息が髪にかかる。
「有也? どうした……の」
唇が強引に塞がれる。
「?!」
体が熱く、とろけていく。
目を閉じかけたあたしからさっと離れた彼が、意地悪く笑った。
「これが本当のオレ。マリナが引かないように、中学の頃の演技してた」
「…………」
初めて味わう感覚。
火照りすぎて、火傷しそう。心拍数が急上昇する。
耳の奥が、熱い。
その耳元に、掠れたセクシーボイスで有也は囁いた。
「オレに、抱かれたいんだろ?」


