I love you.【更新休止、詳しくは感想ノートへ】




「もういいー?」

「あ、はい」


襖を開けると、頭の上にバスタオルを乗っけた黒澤君が此方を向いた。


髪から雫をぽたぽた垂らす彼は、"水も滴る良い男"のイメージにぴったりなほど、絵になるなって感じだった。

私はこの子の教師なんだから、と思っていても、思わず見とれてしまいそうなほどに。




それよりも、私には聞きたいことがあった。


――傷の事。


だが、いきなりそのことを聞くのもどうかなと思ったので、

「……ねぇ、黒澤君。傘も差さないで、どうしたの?」

まずは無難にこの出来事について、聞いてみることにした。



「……別に」




< 48 / 146 >

この作品をシェア

pagetop