I love you.【更新休止、詳しくは感想ノートへ】
「もういいー?」
「あ、はい」
襖を開けると、頭の上にバスタオルを乗っけた黒澤君が此方を向いた。
髪から雫をぽたぽた垂らす彼は、"水も滴る良い男"のイメージにぴったりなほど、絵になるなって感じだった。
私はこの子の教師なんだから、と思っていても、思わず見とれてしまいそうなほどに。
それよりも、私には聞きたいことがあった。
――傷の事。
だが、いきなりそのことを聞くのもどうかなと思ったので、
「……ねぇ、黒澤君。傘も差さないで、どうしたの?」
まずは無難にこの出来事について、聞いてみることにした。
「……別に」