珈琲の香り
やっと始まった私の恋。


「……風花さんのこと、忘れてほしいと思いません。比べられるのは嫌だけど、風花さんのことを含めて、涼さんだから……」

「樹……」


ゆっくりと歩み寄り、ギュッと抱き締められた。

前に抱き締められたときより、強く……

その腕の中で、私は絞り出すように言った。


「私はどこにもいきません。

ずっと涼さんのそばにいます……」


と………。

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